山の桜から名前をもらったさくら子。不思議な木でもともと栗の木でした。ところが大きな台風がやってきて、折れた栗の木から桜の芽が出てきたのです。栗の木が身ごもって、桜と言う赤ちゃんが生まれたのです。そして名づけられた名前が「みごも栗」と言います。かあさんも「みごも栗にお願いしてさくら子がさずかりました」と肩をだき寄せて言います。また、さくら子のおばさんが亡くなった日が、さくら子の誕生日です。数年後自分の出生について知るさくら子。木の持つ意味、自分の生い立ち、それらをだんだん理解しながら周りを気遣うさくら子。さくら子をいつくしんで育てた両親の愛が胸にじーんと響き目頭が熱くなってきます。