北海の孤島できつねの親子が平和に暮らしていました。人間の親子と同じようにきつねの親は子供たちの成長を温かく見守り、子供たちはきつねの親からいろいろなことを学び、時には甘え、仲良く暮らしていました。しかし戦争はそんなきつねの家族をバラバラに引き裂きます。兵隊たちの仕掛けた「わな」にちびこが捕らえられたのです。ちびこを守るために、わざと人間の方へ飛び出していくお父さんきつね。弱りはてて歩けなくなっも、ちびこに寄り添いえさを運んだり、ふさふさしたしっぽで暖めてやったお母さんきつね。親の子を思う気持ちがひしひしと伝わってきて目頭が熱くなってきます。戦争は人間だけではなく、動物たちも犠牲になっていて、戦争の悲しさ、悲惨さを感じる一冊です。